プロローグ

紀元前1200年頃の古代エジプトの文書(パピルス)に人を苦しめる厄介な病態として

すでに詳細に記されていた「頭痛」

それから悠久の時を経た21世紀の現在(いま)も

周囲の身近な人にさえ、いつも理解してもらえない強烈な痛みと

それに加わる 吐き気、視覚異常、倦怠感、めまい、手指の痺(しび)れ

などで、日常生活さえままならない

そんな日々を苦しみながらやり過ごしている人のなんと多いことでしょう

日本人の3~4人に1人、およそ3,000万人がいわゆる「頭痛持ち」であるとされているなか

これのほとんどを占める、いわゆる片頭痛や緊張型頭痛(*1)

あまりのつらさに「頭痛外来」なる医療機関を受診しても、型どおりに鎮痛剤を処方されて

曰(いわ)く

静かな暗い場所で、なるべく横になりましょう

曰く

ストレスや疲れをとり気分転換を図って、生活習慣を改善しましょう、、等々

対症療法にすらなってないようなことを指示されて

でも

また再び、いつやって来るかわからない次の頭痛に怯(おび)える

そう、パピルス以来なんと3千年以上が経過した今もです

終わりの見えない、ルーティンのお薬処方ではなく

きっぱり金輪際、鎮痛薬とは縁を切ることのできる「脱・慢性頭痛」への

真に実効性の高い処方箋はないのか

りょうきデンタルオフィスは

それに対する、しっかりとした一つの答えを、ここに提示いたします

このやり方により

頭痛煩(わずら)いの古代エジプト人にも

やっと21世紀の未来人として、ちゃんと顔向けできるようになったのかなと

いま、少し自負しているところです

illustrated by Kyo Yatate

今から15年ほど前、ある一人の患者さんにマウスピースを用いた顎関節症治療をやっていたときのこと。

ふと思いついた、かなり変わった方法でマウスピースの調整をしてみました。

それでこの患者さんがたまたま、かなり強烈な頭痛持ちの方だったのですが、

顎関節症よりもむしろ、急速に頭痛が減退していったのです。

最初はその繋(つな)がりが私にもよく見えず、

しかし同様のやり方で2回目さらに3回目と調整していくうち

頭痛の頻度、レベルは共にさらに弱まっていき、来院6回目の頃にはほとんど消えたのでした。

(残念ながらこの方はその後来院が途絶え、完全な頭痛消失までの確認はできませんでしたが)

それからは、他の多数の患者さんに接しても、おやっと感じる(*2)たびに頭痛の有無をお尋ねし、「頭痛ですか?あります」との回答であれば同様のことを行い、

そうやって何年もに渡り、マウスピースの歯への当て方、カタチそのものの試行錯誤を、あれもやりこれもやって、いろいろと繰り返し、非常に良い成果を上げてゆくなかで

慢性頭痛除去のための理想的マウスピースのカタチへたどり着くことができたと思います。

頭痛から完全に解放され、頭痛のことでまるで思い悩むことのない生活を手に入れられる方が一人でも多くなるなら、医療人としてこれに勝る歓びはありません。


注(*1):私の臨床経験上、これら二つは治療する上では、どう考えてもその分類にまったく意味が無いように思われます。

注(*2):歯の詰め物、被(かぶ)せ物がよくはずれる、歯がしみやすい、食べ物を左右どちらかでしか咀嚼(ソシャク)しない、などなどです。