背景

現代人の生活習慣-噛むための筋肉の過緊張がどうして起きるのか

その昔はオフィスの 1フロアに1台あるか、という程度だったパソコンがいまは1人1台が当たり前。

のみならず、パソコンを閉じオフィスを後にしても就寝までの間、帰宅途中も、他の何かをするときもスマホやタブレットに首っ引き状態。

(あなたにはPCやスマホにまったく手を触れない一日が、果たしてありますか?)

その場合、手指や眼は動かしていても、上半身、ことに肩から首、頭部はあたかも彫像のように固まったままなのではないでしょうか?(*)

そんなとき上半身が凝り固まっていることを意識しないのと同様に歯も、しっかりレベル以上に噛み合わせ、時として集中を強いられる瞬間には、力強くグイっとくいしばっていることにまるで気づくことができないのです。

ちなみに、私のこれまでの臨床上の経験から、「あなたは、ふだん何気ない瞬間、あるいは何かに集中しているときに、歯をくいしばっていませんか?」という質問に噛みしめ・くいしばりを全然やっていないと思われる人と、それを重度にやっているであろう人の答えは、まず同じです。

「いえ、私はくいしばってなんかいないと思います」(!) 。

(これに対し、ごく軽度~中程度にやっている人の答えは「そう言われてみると、やってるかもしれないな」です)

それくらい、慢性的、反復的に頭痛を患う人の噛みしめ・くいしばりはたとえ日中でも、無意識の中に深くとどめられて自覚されることがないのです。

いや、逆に言えば無意識中に深く存して自覚されないからこそ、強烈に、あるいは長時間くいしばってしまっている、と言えるでしょう。

こうやって側頭筋を中心とした、噛みしめるのための筋肉が片時も休む間もなく酷使され続けるわけです。

失われた20年(以上?)とデフレ下の今の日本の社会でさまざまなストレスにさらされるのは、ある程度以上しかたのないことではあります。

ただ問題は、そのストレスを噛みしめ・くいしばりに、安易に転化していること。

そしてもっと問題なのは、そのことにまったく気づけないことなのです。