インタビュー

オーダーメイドのかみ合わせ治療と予防で患者さんの生涯の健康を守る

~患者さん一人ひとりに合わせた対応~

Q:九段下で開業されたきっかけについて教えてください。
A:様々な方に幅広い治療を提供できる落ち着いた雰囲気の場所を探していたところ、知人にこの地を紹介していただき、開業しました。
近隣にお住まいの方や近くのオフィスで働いている方に通っていただいていますが、患者さんのご紹介でいらっしゃる方も多いです。
また、以前は近くにあったオフィスが移転した後も継続して来院される方が多く、日本国内では関東はもちろん、秋田や福岡、海外ではホノルル、シンガポール、北京、ロンドンなどからも足を運んでいただいています。
Q:開業当初と比べて現在の患者さんのニーズの変化、診療傾向の変化について教えてください。
A:インターネットの発達により、歯科の専門用語を知っている方、歯科に関する知識をより深めたい方が増えましたね。当院では、患者さん一人ひとりに治療説明の時間を多く設けています。その方の口腔内写真はもちろん、患者さんの目の前で絵を描くなどして目に見える形での説明を行っています。患者さんにご自身の口腔内の状態を知っていただき、予防への意識を強く持っていただくことが重要だと考えています。
Q:歯科も全身との兼ね合いを要求される時代になりましたが、基礎疾患(高血圧症・高脂血症・糖尿病等)を抱えている患者さんへの医科との連携について教えてください。
A:歯科治療を行う上で、患者さんの全身のリスク管理は必須です。可能であれば当院で治療を行いますが、そうでない場合は日本歯科大学付属病院や三井記念病院に相談、紹介しています。

~できる限り歯を削らずに残す治療~

0.05mm以下の精度が要求される根管治療

Q:先生は幅広い治療を提供されていますが、特に根管治療を得意とされていると聞いております。
私は根管治療が特別に得意な訳ではなく、ただひたすら真面目にやっているだけです。なぜなら、根管治療に限らず歯科治療・予防は患者さんの全身の健康を守る上で極めて大切なものだからです。
今までは歯周病菌や根尖に溜まった菌は血流に乗って心臓、そして全身に運ばれると考えられていましたが、最近では口腔内の細菌を直接嚥下し、それを腸管から吸収する場合が最も多いことがわかりました。つまり、口腔内の細菌は狭心症や脳梗塞、心筋梗塞、メタボリックシンドローム、骨粗鬆症、ガンなどの全身疾患や早流産に関連があるのです。ですから、私たち歯科医師は患者さんに誠実に努めなければなりません。
Q:かみ合わせ治療の具体的な処置を教えてください。
A:治療後は、一生噛める歯を入れることを目的に、仮歯の段階で本物の歯のような完璧な歯を作ります。そして、それに似せてメタルボンドなどの自由診療の補綴物を作製し、入れます。かみ合わせをベストな形にすると、今まで隠れていた全身の悪い部分が表出してきて、強烈なブラキシズム(歯ぎしり)を起こす場合があります。その際に有効なのがマウスピース治療です。実際に、マウスピースを装着することで、片頭痛や指先の痺れが治った方が多くいらっしゃいます。私自身、この治療を取り入れてから患者さんの全身状態をより広範囲に診られるようになりました。当院には14年間通われている方もいらっしゃいますが、その方の歯は1mmたりとも削っていません。全ての患者さんのホームドクターとして、患者さんが納得して安心できるまで説明し、できる限り歯を削らずに残すことが大切だと考えています。
Q:歯のリスクマネジメントにおいて予防歯科はとても重要ですが、メンテナンスの時にむし歯と歯周病以外にチェックしていることはございますか?
A:かみ合わせや歯ぎしり、食いしばりのチェックをしています。なぜなら、これらがむし歯や歯周病の原因となる場合が多いからです。ですから、患者さんのお顔を拝見した時から治療は始まっており、日々の研鑽と今まで約1400人を診てきた経験から「この方はここで噛んでいるんだろうな。こういうところに不具合があるんだろうな。」などの予測を立てています。この予測ができると、患者さんに治療のゴール地点を示しながら説明をすることが可能になります。
Q:患者さんとのコミュニケーションで心がけていることはありますか?
A:治療や定期メンテナンスの重要性の説明を丁寧に行っています。歯科以外の全身の健康のことでご相談を受けることも多く、アドバイスできることはしています。
Q:貴院のスタッフ構成を教えてください。また、スタッフのマネジメントで気をつけていることはありますか?
A:常勤の歯科医師が1人、非常勤の歯科医師が2人、常勤の歯科衛生士が1人、学生のアルバイトが8人です。学生のアルバイトには電話対応や大人としてのマナー、就職活動の指導をしています。

~歯科医師として、恥ずかしくない仕事をするために~

1本でも多くの歯を残す治療に努めています。

Q:歯科大での学びや勤務医時代の経験で、現在の臨床に活かしていることはございますか?
A:歯科医師になって初めて勤めた医院の院長に「恥ずかしい仕事をするな」とよく言われたことを強く覚えています。当時の私は朝一番早くに医院に行き、夜は一番遅くまで残って歯科治療の練習をしていました。残って練習をしているとその方に声をかけられ、よく銀座で一緒にご飯を食べていましたね。
Q:臨床現場で喜びを感じるのは、どのような時ですか?
A:患者さんが報われるような、歯科医師として良い仕事が出来た時です。患者さんの長年のお悩みを解決できた時は、本当に嬉しいですね。
Q:最後に貴院の今後の展望・展開を教えてください。
A:一般の人達に歯科治療全体に対する正しい知識や見方を広めていきたいです。予防をせずに悪いところがあれば治療だけをする方が多ければ多いほど、日本の社会保障費は膨らんでいきますからね。そのような方々に良い医療と悪い医療の違い、予防やかみ合わせの重要性をお伝えしていきたいですね。